スカウトという商売

六車護「名スカウトはなぜ死んだか」(ISBN:406211643X)読了。「名スカウト」というのは、イチロー発掘で有名な三輪田勝利氏のことである。この本は三輪田氏が自殺に至った経緯を調べ上げた本、というわけではなく(もちろんそういう部分もあるにはあるが、結局のところそんなものわかるはずがないのだ、本人以外に)、大学野球部時代からの親友である新聞記者が過去の思い出を綴ったものである。
読んでいて思い出したのは(忘れてたわけじゃないけど)、同じようにスカウトにスポットを当てた後藤正治のその名も「スカウト」(ISBN:4062731460)である。こちらは木庭教という一人のスカウトを中心に追ったノンフィクションで、スカウトという仕事がよく分かる名著である。この本が出たのはちょうど三輪田氏が無くなるちょっと前(文庫本あとがきでそのことが触れられている)で、この2冊を通して読むと、昔のスカウトと今のスカウトの違い、ドラフト制度のゆがみなどがよく分かると思う。オススメである(特に後者)