しけった爆竹  プロ野球 大阪近鉄バファローズ - オリックスブルーウェーブ(大阪ドーム)

 今年のオリックスはなにかおかしい。7点8点とるのは当たり前、先発が崩れてもすぐに逆転する力がある。投手陣は相変わらず、というかそれ以下の出来だが、それを補える可能性のある打線。打率が3割以上の強力打線を目に焼き付けておこうと、大阪ドームに向かった。
 とはいえ、家を出るときにはすでに5回終了、2-0で近鉄岩隈久志に抑えられていた。去年までならもう諦める、でも今年ならまだいくらでも逆転できるはずだ。そう思って自転車に乗る。4月とはいえ日本のどこかでは真夏日を記録した日、Tシャツ1枚で春服要らずだ。
 朝から何も食べてなかったので、途中でコンビニに寄って大阪ドーム到着、近くまで行き過ぎてかえって入口が分からなかった。ビジターファンクラブ券で入場し、応援団から比較的距離をおけるレフト側センター最寄りの席についたとき、ちょうど7回表の攻撃の始まるところ。昨夏引っ越してきた僕の家は大阪ドームと目と口の先ぐらいの距離である。
 入場する時目に入ったのが背番号30のTシャツを着た女性。30はもちろん相川良太の背番号だ。ケガのため一軍にいない。いきなり濃いものを見てしまった。相変わらず大騒ぎのライトスタンド、前見たときよりは増えてるか?のレフトスタンド。不思議だったのは塩崎の応援歌がビティエロだったこと。本当はブーマーの応援歌らしいが、僕の中ではビティエロだ。それにしても改めて考えるとすごい名前だ、ビティエロ。シェルドンとかシュルジーとか、変な名前の選手はそれだけで思い出に残る。
 試合は近鉄岩隈久志オリックス本柳和也の投げ合い。本柳は2年前のサーパス-阪神戦以来か(観戦記54『サーパス動物園』)。7回裏のピンチは大島公一のジャンプキャッチ(普通なら飛ばない?)でしのぐ。
 8回表、BWは1番・村松有人から。どうでもいいけど、背番号3がセンター守ってるとイクローを思い出してどきっとするぞ。なんでお前がセンターか、と。その村松が出れば一気に逆転も、と思ったが粘った結果三振。続く代打・副島孔太も凡退。しかし3番谷佳知、ヒットで出てブラウンのホームランで同点だ!なんて恥ずかしい妄想をしている間にチェンジになっていた。
 その裏、本柳は1点失った後、2死満塁で降板。もらえるはずの打線の援護がもらえずに、がんばったけど恵まれなかった。出てきたのは相木崇。いきなり藤井彰人にライト副島の足をもつれさせる大きな三塁打を打たれ6-0で勝負あり。
 9回表も、2死から斉藤秀光の2塁打と塩崎の肉離れ全力疾走で(なにもこんな時に)1,3塁とするも、日高剛の当たりはショート阿部真宏のファインプレーでゲームセット。塩崎は無駄足(まさに)。結局、チーム打率3割を超えるチームの完封負け試合を見るというなんともトホホな結果に。この後球速に打線が衰えたら、多分僕のせいです。
 ひとつおまけ。BWのピッチャーが本柳から相木に交代するとき、大阪ドームのアナウンスが「もてょ…やなぎ」という感じで一瞬かんだ。それだけでも本柳の不憫さを増幅して面白かったのだが、次の日サンスポの記事によると、『試合前には、場内アナウンスで「ほんごう」と呼ばれ、場内が騒然となった』らしい。投手が打席に立たないパリーグだけに、名前を呼んだのはそれ以来で、アナウンスの人もちょっと緊張したのだろう、と考えるとさらに笑える。(報知は『近鉄・塩崎が肉離れ』と書いていたが、これは単純な不勉強)