想像力系

大阪にいた頃、会社の近所の本屋でふらっと衝動買いした↓この本、実は少し話題になってた(る?)らしい。

間取りの手帖

間取りの手帖

変わった間取りの部屋と、著者の一言ツッコミがひたすら掲載されているという本なのだが、そこに住んでいる人などいろんなことを想像できるのが面白い、というのが高い評価の理由のようだ。僕も不動産広告で間取りを見ていろいろ想像するのが好きで、それなりに楽しめたのだが、いろいろと物足りないところはある。それは、間取りと家賃以外の情報がないこと。不動産広告なら、立地、階数、築年数、設備などの情報があり、それも含めて想像を楽しむ方が僕は好きだ。ここは学生が多いから…とか、駅から遠くて駐車場料金が安いとか、築○年ということは流しが低いんだろうなとか。そういった情報を、著者があえてカットしてしまっているのが残念である(もっとも掲載したくてもできないかもしれないが)。その方が間取りだけに注目できていいという人には逆に評価が高くなるだろう。
もう一つ物足りないのは、間取りからその生活を想像しているコラムが、あっさりしすぎていること。もっと深く、住んでいる人の生い立ちからなんやら設定して、推理を進めていったら面白いのではないだろうか。妄想で楽しむ本なので、妄想で膨らませて欲しかった。
妄想で膨らませる本といえば、似て否なる本としてオススメがある。
あやしい馬券心理ファイル

あやしい馬券心理ファイル

実家に置いてきて手元にないのが残念だが(高校時代に買った本だ)、ハズレ馬券から購入者の心理や人間像を想像してしまおうという企画本だ。その目次を読むだけで、どこまで深く突っ込んでいるのかがよく分かる。

  • 禁断の馬券―あまりに安直な6並び「カイウンカンノン」馬券により引き起こされた神と悪魔と仏の壮絶ドラマとは何か?
  • 惨劇の馬券―第三次世界大戦勃発の危険性さえ秘める残酷かつ無惨なハズレ馬券に見る典型的競馬ファンの人生とはどんなものか?
  • 羞恥の馬券―ロリコン気味の「コウマン」中毒症患者が残してしまった「恥ずかしさ」に揺れる深層心理の痕跡とは何か?
  • 特大の馬券―5062.3倍という特大の射幸心を持つ人物の馬券購入に至る心理を分析することはなぜ不可能なのか?
  • 憎悪の馬券―孤独で凶悪な36歳独身OLが四つ裂きにして捨てた「ミホノブルボン単勝100円馬券に隠された真相とは何か?

これで確か半分ぐらい。後半になるとさらに話は凄くなり、まるで傑作ミステリーを読んでいるかのような驚きに遭遇する。この本は本当にオススメです。