木村紺「神戸在住(7)」〜体験と非体験

帰りがけにカフェに寄って一服しながら読んだ。『神戸在住』は、普段はのんびりと眺めるように読むのだが、7巻はそうは行かなかった。主人公・桂が敬愛する日和の死の前後と、そのショックを乗り越えるまでの葛藤が、出会いの頃の話も含めて一冊のほぼ半分を占めている。3巻の阪神大震災編より重い。自叙的に書かれている作品なので、直接自分が体験していないことと(震災編は、当時は東京にいた主人公が、林浩の震災ボランティアの話を聞くという形だ)自分に関する話で重さが格段に異なるのはリアルだが。逆に、震災の話は実際に被災した人のことも考えて、独り善がりにならないように伝聞にしたのかもしれない。ほぼ1年に1冊しか単行本が出ないので、何度も読み返すことになるだろうけど。

神戸在住(7) (アフタヌーンKC)

神戸在住(7) (アフタヌーンKC)