甲子園への道

全国高校野球選手権京都大会 3回戦 大谷-鳥羽(西京極)
 外は強い陽射しにセミの声。もうすっかり夏である。夏といえば高校野球。8月6日から甲子園大会が始まるが、その出場権をかけて各地で試合が行われている。その様子を見ようと暑い中西京極球場に足を運んでみた。

 自転車を走らせ球場についたのは午後2時半。2時開始予定の第3試合がちょうど始まるところだった。内野席は有料(大人600円)ということもあって、外野席に入る。なんとなくでレフト側へ行くと、芝生席にいる人の半分以上が上半身裸…非常に強い陽射しで、日光浴をしている人ばかりだった。レフトポール近くの最前席に腰を下ろすとすぐに試合が始まった。(ちなみに後で気付いたのだが、ライト側は木陰になっていてたくさんの人がいた)

 試合のカードは大谷-鳥羽。鳥羽は京都府の高校の中でも本命クラスのチームである。大谷も2回戦はコールド勝ちしているということで、いい試合を期待していた。両チームのスタメンは以下のとおり。


先攻・大谷
政次
加藤
奥野
北野
小松
津熊
川島
阿久根
上田

後攻・鳥羽
高橋
小川
里井
岸本
国本
阪口
中井
芦田
 1回表、鳥羽の投手は背番号11の阪口。やや横手投げっぽいフォームである。大谷打線を三者凡退に打ち取る。その裏、大谷の投手は右投げの阿久根。鳥羽の応援は、ブラスバンドも無く太鼓と男声の歌によるもの(三塁側でよく見えなかったが一般生徒がいなく野球部員だけだったのではなかろうか)である。先頭打者の高橋がエラーで出塁すると、バントで送り、フォアボールで1アウト1、2塁。4番の岸本がセンターオーバーの大きな2塁打を打ち、2点を先制する。

 2回表、大谷側の応援はブラスを中心とするオーソドックスな応援で、曲目も高校野球応援でおなじみの曲が多い(ねらいうち、Runner,どかーん、ポパイなどなど)。ショートゴロ悪送球で1アウト2塁から、送って2アウト3塁。ここで7番川島に対する一塁側の応援は「ねらいうち」。『お前が打たなきゃ誰が打つ!』しかしフォアボールで出て、8番阿久根がファーストゴロを打ちチェンジ。

 2回裏、ワンアウトから鳥羽の背番号17・芦田がライト前ヒット。2球目に盗塁、送球が逸れて3塁へ。大谷は1アウト3塁のピンチを背負うが、三振、ライトフライとピッチャーがふんばってチェンジ。それにしても太陽がまぶしくて上がったフライがどこに行ったのか分からなくなってしまう。

 3回表は三者凡退でその裏。2アウトランナーなしでバッターはタイムリーを打った鳥羽の4番・岸本。「外野行くぞー!」ということで外野はフェンス近くまで後退する。打球は1打席目と同じセンターフェンス際!しかし後退守備が功を奏してセンターが掴んでチェンジ。結局三者凡退。4回も表裏ともに三者凡退と、締まった試合になる。大谷はまだノーヒット。

 5回表、大谷の攻撃。先頭の背番号17・津熊がピッチャー強襲のヒット。ここで送りバントがキャッチャーの前に落ち、キャッチャーは2塁へ送球するもセーフ。次のバッターも送りバントするも、今度は3塁フォースアウトで1アウト1、2塁。大谷はこれでもかと9番・上田にも送りバントをさせ2、3塁にランナーを進める。鳥羽ベンチから伝令が飛ぶ。しかし次の打者の初球、ワンバウンドの球をキャッチャーがはじいてしまい3塁ランナーが生還。その後フォアボール、ショートゴロでチェンジ。大谷が1点を返した。

 5回裏は無得点で6回表の大谷の攻撃。ツーアウトからライト前ヒット、ライト線へのヒット、デッドボールで満塁。この試合の山場、カウントはツースリーとなり一塁側のスタンドは大盛り上がりだが、セカンドゴロであえなくチェンジ。無得点に終わってしまった。

 6回裏には投手・阪口が左中間にタイムリーを打ち鳥羽が1点を追加。7回表開始時に一塁側スタンドでは大谷の校歌(だと思う、多分)が演奏される。大谷側のスタンドからは不服な判定があるとなにやら激しい口調の野次?(よく聞き取れない)のようなものが飛び、あまり気分のいいものではない。まあスタンドの態度はともかく、選手も三振してバットを叩きつけたりするぐらいならともかく、アウトになってヘルメットを投げ捨てるようなプレイはチーム内で指導していって欲しいものだ。

 試合は7回裏に鳥羽がもう1点追加し、4-1で鳥羽が勝った。ひょっとしたらこの選手たちををまた甲子園で見ることができるかもしれない。試合後はエール交換などが行われる。僕はこういう学生的応援が割と好きである。自分の通う学校がそういう環境にずっと無かったから憧れるのかもしれない。でも同じ学校だからということで喜びを共有できるというのは悪くないと思うのですが、どうでしょう?