Jリーグ FC東京−東京V(味の素スタジアム)

Ron342005-07-09

10戦連続勝ちなしの16位・FC東京と、2戦連続7失点大敗の15位・ヴェルディとの対決になった東京ダービー。そんなチーム状態にも、夕方から降り出した雨にもかかわらず、26,000人以上の観客が入っていた。ヴェルディ側ゴール裏に入るが、雨の当たらない1階上半分は満席で(2階は封鎖)、それならばと誰もいない前から3列目で傘の下観戦をすることに。ヴェルディの選手紹介に浴びせられるFC東京サポーターのブーイングに併せて、一時雨が強くなる。スタジアムの7〜8割はFC東京サポーターか。FC側のゴール裏自由席は完売で前まで満席だった。
前半は手前がヴェルディゴール。連続大敗の屈辱を何より感じているだろうGK高木は、雨の中にもかかわらず頭から水をかぶり気合を入れ直す。試合開始直後、1分、3分、7分とFC東京がゴールに迫るのを、目の前でハラハラしながら見守る。一方でヴェルディの攻撃の際には、遠くで状況がよくわからないため、祈ることしか出来ないもどかしさを感じる。
0−0で前半終了し、ハーフタイムからさらに雨が強くなる。前半より悪化したグラウンドコンディションに、選手たちは明らかに戸惑っていた。パスが途中で止まる、足がボールに追いつかない。後半はヴェルディの攻撃が目の前、攻められる光景は遠く水煙の彼方となり、いっそう見えなくなった。心臓に悪いヒヤヒヤ感は少なくなり、ただただ目の前でのゴールを心待ちにする。
しかし、残り少なくなった後半35分、FC東京の速攻。ヴェルディの選手も慌てて戻るが、必死で止めたDF戸川がこの日2枚目のイエローカードをもらい退場。FC東京が数的優位に立つ。ヴェルディはやむなくワシントンを下げDF米山を投入。この試合、負けないこと、決して点を取られないことを最優先事項と切り替えた。
結局、攻め続けるFC東京も、一瞬の隙を狙ったヴェルディも、どちらも点をとることが出来ず、0−0のドロー。またも勝てなかったFC東京に対してサポーターはブーイング、一方、今日は守備陣が最後まで緊張を切らさずに0点に封じたヴェルディ側は、拍手が起こっていた。個人的にはヴェルディ観戦成績が4戦4引き分けと、引き分け記録が続いてしまったが、「価値ある引き分け」に初めて「勝ち」に近いうれしさを感じることが出来た。「自分が見に行くと勝てない」「自分が見に行くと負けない」どちらも気の持ちようである。