戦術とエコ

新書2題。

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

サッカーをテレビやスタジアムで見る機会は、学生の頃などに比べたらずいぶん多くなったのだが、実のところまったくもって戦術的なことが分かっていない。野球なら1試合ごと、1打席ごと、1球ごとにこれだからこうなってという理屈が分かりやすいのだが、全体で多くのプレーヤーが動くサッカーともなるとそうも行かず、どうしたものやらと思っていた。この本は帯に「ついに日本初”布陣の教科書”」とあるように、フォーメーションと戦術の部分を中心に、実際の事例を元に説明してくれる。ヨーロッパの選手やチームに詳しくない自分のような人間は、その部分だけがとっつきにくいが、そんなに読みづらいわけでもない。詳しい人にはもっと分かりやすいだろう。現在発売中のサッカーダイジェストがシステム特集をやっているので、そっちも併せて読んでみよう。
偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

最近巷では環境問題がブームになっているが(ブームになるのが危険ではあるが)、世の中にある環境問題に関する誤解、誤魔化し、まやかしを次々と切っていき、「本当に『環境にいい生活]とは何か」を説いた本。自分は世の中の話にわりと懐疑的な方だと思っていたが、それでも結構刺激的な部分が多くてびっくりした。かなり断定的な文章なので人によっては反発されることもあるかもしれないが、独自の調査に裏づけされたデータと理論が明示されてあり、説得力は高い。最終章のに出てくる「もの作りの心」の部分は、メーカーの人間として自戒していかなければと思う。