格の違い

ラグビー日本選手権1回戦(近鉄花園ラグビー場
 前からラグビーのことは気になっていたんだが、ルールがいまいち分からないのでちょっと敬遠していた。でも食わず嫌いで済ますのはよくないと、今年ようやくルールを勉強し、本当は正月の高校ラグビーを見に行く予定だったのだが体の不調でそれを逃し、シーズンももう終わりということで、テスト中にかかわらず行ってきました日本選手権。

 高校ラグビーの聖地と呼ばれる花園は、近鉄東花園駅から670m(標識による)である。好天の下、人の波に乗って歩いていくと…ありました、花園ラグビー場。今日はここと、東京の秩父宮ラグビー場で1回戦が2試合ずつ行わる。日本選手権は、社会人のベスト4と大学生のベスト4がトーナメント形式で優勝を争う。1回戦は社会人対大学という組み合わせになる。ここのところ十数年大学チームは勝ち星がなく、今年こそはということで、同志社に望みをかけて応援に行った(なんで法政ではないかは後述)。

第1試合 サントリー―法政大

 試合開始30分前ぐらいに到着。席は、スタンドをカタカナのコの字に見たときに右上にあたるゴールラインの脇の最前列にする。真中の方は指定席なのでこれでもまあいい席だろう。売店に行くと、ビールはモルツ、ジュースもサントリーだ、ううむ。試合開始を待つうちに人がだんだん入ってくる。と、とつぜんまばらな拍手が起こったので何かと思えば、選手がグラウンドに出てくる。そしてあっという間に試合開始。なんだこのさりげなさは。野球とかアメフトになれているせいか、ちょっと面食らった。

 試合のほうはといえば、前半から圧倒的なサントリーペース。ていうか、法政がパスミスを繰り返し、タックルされてはボールを奪われてと、相手になってない。アメフトのライスボウルで無様な試合を喫したので法政にはいい印象がないのだが、そのときのイライラを思い出しなんか腹が立ってきた。前半終わって43-0。んー、なんだかなあ。スタンドも静かである。もっとも関東勢同志の対戦ということもあるだろうが。

 後半になって、サントリーが手を抜いたのか、それとも風上にたったからなのか、法政が巻き返す。スタンドはみんな法政がトライをあげると拍手していた。そりゃあこれだけの大差になればなあという気もしないではないが、法政は4トライをあげ、何とか意地を見せた。

 近くに座っていた高校生がゴミは散らかす、試合中携帯でしゃべってる(もっとも試合が試合だけにそれほど気にならなかったが)などで腹が立つ。しかも高校生以下は自由席が無料なだけにさらに腹が立つ(笑)

第2試合 トヨタ自動車同志社大

 で、同志社大の試合。応援団とか来てれば、その近くで応援しようとか思っていたのだがいない。野球の同立戦のインパクトがあったのだが、あれは同立戦ゆえの盛り上がりだったのか。それともラグビーはあまりそういう応援はしないのか。2試合通して感じたのだが、応援チームごとに席が分かれているわけでもなく、また声をそろえて応援するわけでもないので、試合中はかなり静かである。なんかみんなが試合に見入ってるといった感じがしてそれはそれでいいのだが、ちょっと寂しい。客層もなんとなく通っぽいひとが多い。

 席を移動して、1試合目と対角線上で反対の位置につく。なぜかって、こちらの方が風下なんでトライがたくさん見れそうだからだ。しかし、こっちのメインスタンド側は屋根があるため日陰となり、非常に寒かった。そして、やはり試合はさりげなく開始される。

 前半の立ち上がりは、どちらも点が入らない。どっちかというと、同志社の攻撃している時間の方が長いような気がした。しかし先制したのはトヨタ。そして試合を支配したのもトヨタ。結局前半だけで6トライをあげる。しかし、トヨタのキッカー大藪選手が、真正面の2本をのぞく4本のキックをすべてはずすといった絶不調。スタンドはおいおいどうしたんだよ、といった雰囲気になる。結局後半になっても調子は戻らず、途中から別の選手がキックを蹴っていた。近くにいた大川慶○郎似のおっちゃんが「ヘタクソ!」と叫びまわりは苦笑していた。

 後半になって同志社もようやく1トライをあげ、攻め込むもゴールあと一歩でボールを奪われ、そしてあっという間に反撃をされてトライをあげられるといった感じで、圧倒的トヨタペース。もう同志社側は疲れたのかまったく止められなかった。結局同志社の得点は1トライ5点だけで70-5でノーサイド

 学生と社会人の力の差の開きにより、日本選手権の存在意義が失われているといわれているそうだが、今日の試合を見ている限りではそれもそうだと思った。少なくとも交通費とチケット代あわせた分の興奮は味わえなかったと感じた。ああでも、来週の神戸製鋼戦は盛り上がるんだろうなあ。そっちに行きたかったなあ。

 おまけ・スタンドに飛び込んで観客が投げ返したボールが、前の方に座ってたおっさんの後頭部に直撃したのを見ました。
 おまけ2・最前列のお客さんが前に置いていた弁当のようなものにボールが直撃してグランド内に落ちたのを目撃しました。