ドラフト候補生

関西学生野球春季リーグ(西京極)
 さて、今年も学生野球の開幕である。野球部のマネージャーの厚意によりチケットをもらったので、またパリーグ同好会ののりを氏、しお氏、そして今回は掲示板にも書き込んでもらっているtheYASUPAN氏の4人で観戦に行くことになった。そういう名目はなかったものの、一応このサイトのはじめてのオフ会ということになるのかな?

 で、この日の目的は第2試合の京都大−関西学院大(13:30開始予定)だったのだが、僕は朝に家を出た。というのも、この日の第1試合は立命館大近畿大。ここのところ葛城育郎オリックス)、田中総司山田秋親(共にダイエー)、平本学(ヤクルト)とドラフトで有望なプロ選手を続出している立命館大の、また今年のドラフトの目玉となりそうな左腕エース・小川裕介を見ようと思ったからである。(ちなみに去年の同立戦では立命の平本、山田も見た。山田はさすがの好投を見せ、平本はさすがのノーコンぶり^^;を見せてくれた)

 この日は微妙な天気で、いつ雨が降ってもおかしくないようなどんよりした天気。ここ数日暖かかったときの印象で外に出たら寒いのなんの。球場についた時は3回表、0-1で近大が先制していた。直後、守備の乱れもあって3回裏に近大が1点を追加して0-2とする。立命の先発は上にあげた注目の小川。一方の近大の先発は、去年の京大戦を見にいったときにも投げていた長身投手・近平であった。近平も今年は3回生ということでチームの中心投手である。

 4回表、立命の嶋岡がその近平から2ランを叩き込み同点とすると、試合はここから投手戦となる。近大は8回から投手を野村に交代するが、それでも点は入らない。試合は延長戦に突入してしまった。注目の小川だが、普段はいいピッチングを見せるのだが、ランナーを出すと突然リズムが狂う。ランナーをためてあわやという場面を何度か出しながらも、なんとか乗り切っていった。

 結局、小川は11回まで投げ被安打5、2失点(自責点1)で交代。数字的にはさすがプロ注目の投手というだけのピッチングを見せてくれた。ぜひブルーウェーブに(笑)そんなことをしているうちに他の3人も既に到着している。なんせもう第2試合の開始予定時刻だから。このまま延長13回で引き分けかと思っていたら、12回裏、代わって出てきた児玉が満塁から押し出しデッドボールで近大サヨナラ勝ち。幕切れはあっけなかった。

 どうでもいい話だが、近大のスタメンには、あの松坂が17回を投げきった98年夏の甲子園・横浜−PL学園のPLのメンバーが3人もいる(センター大西、セカンド松丸、キャッチャー田中雅彦)。この試合に関しては、「ドキュメント横浜vsPL学園(アサヒグラフ特別取材班)」という本が朝日文庫から出ているが、かなりおすすめだ。松坂についての本ではなく、この歴史に残る1試合のみを追った渾身のノンフィクションは読み応えがある。文庫本で安いのでぜひ読んで欲しい。

 さて、ようやく第2試合。ちょっと両チームについて説明しよう。京大は昨年秋に立命関学から勝ち点を挙げ、50年ぶりの勝ち点2、平成元年以来の最下位脱出を果たしている。その原動力となり秋季リーグでチームの全ての勝利投手となり4勝を挙げた岡村が今年も4回生でエースとして残っている。一方でその京大に負けて屈辱の最下位落ちをしたのが関学。今年は雪辱を果たすべく、3回生エースの山之内を中心としてチームを構成。先日は昨年秋の優勝チーム近大に2連勝で勝ち点を挙げ、いわば台風の目。立命には敗れたが、混戦に持ち込んで一気に優勝を目指しているチームである。

 予定より1時間以上遅れてプレイボール。1回裏、京大の岡村のコントロールの乱れなどにつけこみ、一気に関学が4点を先制。このまま一方的な試合かという予感をさせる。しかしこの後岡村は立ち直り、毎回ランナーを出してはピンチを迎えながらも、なんとか耐えに耐えるピッチングでスコアボードに0を並べる。

 一方関学の先発の山之内は、危なげないピッチング。2アウトからランナーを出すことはあってもすぐに後を斬ってとり、京大打線につけいる隙を全く与えない。このまま試合は膠着状態。そして、7回裏、岡村が我慢できずに1点を与え、8回裏にも打ち込まれ降板。代わった河村も抑えきれず0-9と関学の大量リードとなった。

 このまま試合終了だと思われた。僕としても、この後友人と会う約束をしており、帰りの時間のことを考えてもギリギリだった。しかし9回に出てきた関学のピッチャー、山田が荒れる。フォアボールやヒットなどで2点を失いなおも2アウト満塁。帰りたくても帰れない展開に手を汗を握る。結局試合は2-9で終了。試合時間は2時間30分を越えて、試合終了は5時半ぐらいだった。とにかく寒い一日だったが、雨が降らなかったのだけが救いであった。しかし、今年の京大、勝てるんかなあ…?

 これは余談だが、次の日の新聞を見たところ「京大が点取った」という記事が。なんでも58イニングぶりの得点だったらしい。そういわれてみれば、昨年の秋の最終カードの第1試合で1点をあげて、この春は立命と関大に連続完封負け中だった。要するにそれ以来の得点である。点とって話題になるようじゃ、まだまだか。