ファイターズの不思議【関東ツアー編 その4】

プロ野球 日本ハムファイターズ福岡ダイエーホークス(東京ドーム)
 関東遠征、第4戦は東京ドーム。日本現存最古のドーム球場である。関東の大学に通う二人の高校時代の友人(ともにダイエーファン)とともに観戦することになった。とはいえ、自分はダイエーは好きではない。ライト側外野自由席での観戦である。

 試合30分前ごろに球場で待ち合わせ。一人は遅れてくるらしい。行ってビックリ、当日券に列が出来ている。列に並んで窓口についた頃には、「外野席は立ち見となります」との表示が。…立ち見?立ち見? いつも空いてるGS神戸に慣れている身としては、まったく信じられない。これがパリーグの試合か? 前々日の千葉マリンは、ライト側は凄かったものの、レフト側は受け入れられる状態だった。今日は、レフト側はダイエーファンで盛り上がっているとはいえ、ライト側は開幕からどん底日本ハム、GSのBWファンより少ないと思っていたのだが…

 友人は慣れているのだろう、当然といった顔をしている。回転ドアを通ってスタンドに入ると、うわあ、オレンジだあ…。ひょっとして今日は巨人戦かと思ったが、そんなはずはない。実際に立ち見の人もいる。なんとか人を掻き分けてセンターよりに席を見つける。

 関西にいると、日本ハムというのはもっとも縁の薄いチームである。GSでも、どっちがホームだか分からないダイエー応援団、黒い群れをなすロッテ応援団、なぜか内野席で旗を振っている西武応援団、同じ関西でありインパクトのある赤で主張する近鉄応援団(そんなに赤がよければユニフォームも赤にすればいいのに)は目にするが、日本ハムの「オレンジ」というカラーはなじみがない。個人的にはオレンジは巨人とダイエーのカラーである。

 夏休みの日曜日のデーゲーム、狭いといわれる外野席(内野席はホッとするぐらいガラガラだった)、ファンの多いダイエー戦ということも影響したろうが、まさにカルチャーショックであった。あと気になったのが日本ハムの応援グッズ。ジェット風船よりふた周りぐらい細いビニールの棒(蛍光オレンジ)2本を叩くのだが、これがおかしなくらい大きな音を出す。出る音も、「ボン、ボン」という低い音で、音のこもるドーム球場においては非常にうるさいのである。

 球場自体はそんなに強い印象はなかったが、なにより広告の多い球場である。まあ全試合が全国中継される巨人のホームということであろうが、これでもかこれでもかというぐらいに広告や看板が立っている。なんだか気になるなあ。

 さて、試合の方だが、ひいきのチームの試合でもないので集中力が欠如していた。久しぶりの友人と喋っていたというのもあるし。ビッグバン打線が爆発し、若い實松がホームラン2本、小笠原とオバンドーもホームランを打ち日本ハムが7-4で勝利。ダイエー側の応援も盛大だし、日本ハムも例の棒が大きな音を出す。その音がドーム内にこだまし、選手交代を告げるアナウンスもまったく聞こえなかった。座った場所からスコアボードも見えなかったのでさっぱりだった。

 あとひとつ気になったことがある。立ち見が出るほどの混雑具合だったライトスタンドだが、試合が進むにつれていつのまにかお客さんが減っていった。日本ハムの気持ちいい勝ち試合にもかかわらずである。日曜のデーゲームだし、東京ドームの立地のよさからすると帰りの電車を心配して早く変える必要もなかろう。気がつくと自分らが座っていた周りは人がいなくなっていた。レフトスタンドはまったく減っているようには見えなかったのだが…ファイターズファンに何が?勝ち負けより、ホームランが見られれば満足なのだろうか。